中退共と確定拠出年金に迷ったら?中退共と確定拠出年金の違い

今回は、中小企業退職金共済制度と企業型確定拠出年金の違いについて焦点を当てて、見ていきます
中小企業退職金共済制度(中退共)とは?
Point(中退共)
- 中退共に加入できる中小企業は範囲が規定されている
- 事業主や役員は加入できない
- 掛金は月額5000円から3万円までの16種類のみ
- 基本的に従業員は全員加入
中小企業退職金共済はその名の通り、単独で退職金制度を持つことが困難な中小企業のために、大企業と同じような退職金制度を設けられるようにした制度です。加入できる範囲は限定的で300名以下の中小企業、業種や資本金の額が限定されています。
また、この要件を満たさなくなった場合に中退共からの脱退が必要になります。
中小企業退職金共済(中退共)に加入できる人は?
事業主や役員は加入できませんが、従業員は原則として全員加入することが必要です。ただし、試用期間や、期間の定めがある人や、短期間の労働が分かっている人は加入させなくても良いということになっています。
また、掛金は全額事業主が負担する必要があります。
中退共の実施企業では従業員は加入できても役員は加入できないため、仕方ないので「個人型確定拠出年金(イデコ)」に入っていますという話もあります。
中退共において退職金が振り込まれるのは従業員口座
退職金は勤労者退職金共済機構から直接、退職する従業員に振り込まれます。
加入が1年未満~3年6か月までの間は掛け金納付額を下回りますが、従業員と何かしらのもつれがあった場合にも、きちんとその従業員に退職金が支払われることになります。
中退共の場合は全額会社掛け金となりますので、モヤモヤが残らないとは言えません。
企業型確定拠出年金(企業型DC)の制度とは?
Point(企業型DC)
- 中小企業問わず、1名の企業から加入が可能。企業の規模についても問わない
- 事業主や役員も加入できる(事業主及び役員だけでも可能)
- 掛金は3000円以上1000円刻み55000円までの選択が可能
- 全員加入しなくてもいい制度設計が可能
企業型確定拠出年金は、一見難しい制度と思われがちですが、柔軟性においては他の退職金制度よりも優れています。
また、事業主や役員も加入できるというのは大きなメリットであり、制度開始にあたっては事業主や役員が率先して加入する企業がほぼ100%に近いのです。
イデコの掛け金もそのまま移換できます。
掛金設計が柔軟にできる企業型確定拠出年金
掛金は3000円から55000円まで1000円刻みと、また年に1度の掛け金の金額変更もできます。
制度設計は事業主掛け金の設定も、従業員側の掛け金の設計も柔軟にできます。
【1.企業拠出とマッチング】
中退共のように企業の拠出もでき、役職によって差をつけることもできる制度です。また、それに上乗せする形で、加入者自らが拠出金を出す設計をすることもできます。この場合の自己掛金の部分は税金の控除対象となります。
【2.企業拠出と選択制】
企業拠出を設定し、そのうえ給料の中の項目を「前払い退職金」として設計し、事業主掛け金に充てることで、給料額の適正化をする方法があります。
この場合には、給料の算定対象外となるため、社会保険料についても適正化することができます。
「あと1000円安かったら社会保険料の等級が下がるのに」という状況に対してメリットが発揮できる制度になります。
【3.完全選択制】
事業主の掛け金部分をすべて従業員が選択できる制度としても利用できます。実質給料の中からそのような設計をするため、会社からの負担は、ほぼありません。
3種類を書きましたが、従業員の掛け金を全く制度に入れない、会社の掛け金のみという設計もできますが、確定拠出年金のメリットの1つとして従業員の掛け金枠を作れるのはメリットなので、上の3種類をお勧めしています。
中退共の加入率は高いけれど、時代の流れは企業型確定拠出年金
中退共の加入率はとても高く、多くの企業が実施しています。
しかし、加入が増えているのは企業型確定拠出年金であり、その制度の運用の自由さと、加入者の自己責任性が多くのメリットをもたらします。
運用自体も加入者が負う制度ですが、インフレにきちんと対応できる退職金制度は企業型DCだけと言っていいです。
企業としては従業員の退職金の責任を未来に追わなくてもいいメリットもあり(ここはまた改めて書きます。)
おススメは確定拠出年金という結果になりました。
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