特別法人税について教えて!
確定拠出年金で、どうなの!?とよく聞かれる「特別法人税」の話。少し深堀しながら今後の見通しを含めて書いていきます。
特別法人税の歴史
企業年金の積立金に課税されるのが「特別法人税」といいます。
ここから少し特別法人税の歴史をお話していきます。
特別法人税ができたのは、今から50年以上前。
高度経済成長期真っただ中。働き手が少ない時代でした。
その時代「労働者」の確保は経営者にとっても大きな課題だったのです。
そこで誕生したのが「適格年金」という
会社が用意する「退職金」の制度だったのです。
当時、銀行の金利が3~6%ととても高く、適格年金も、利率を高水準で保っていました。
退職金積立に課税されないのは、おかしい?
税金というのは平等に課税されるというのが基本的な考え。
適格年金も同様に高い金利を非課税で積み立てできるのは不平等だったので、「1.173%」という課税額が設定されました。
この税金が特別法人税です。
当時1.173%という特別法人税の課税額は決して高いものではなかったのです。
年間100万入れておけば5万くらいの利子がつく積立金。
そのうち1万ちょっと税金が引かれたとしても「ああそうですか」と納得いく税金だったはずです。
ここでカンのいい方は気づいているかと思います。
特別法人税が凍結されたのは…
そうです。特別法人税が凍結されたのは1999年のこと。
確定拠出年金が始まったのが2001年のことです。
確定拠出年金の制度が始まる2年前には、特別法人税は凍結されていたのです。
特別法人税は企業年金に課税されるための税金なので
「確定拠出年金に限ったことではない」のです。
企業年金として積み立てするお金に対して課税されるものです。
50年前の適格年金という制度はその利率の良さからもうすでに制度として存在していません。企業はその利率を従業員に約束できなくなったのです。その代わりに「厚生年金基金」や「確定給付年金」という制度が今は存在します。
確定拠出年金だから特別法人税が課税されるというわけではないのです。
少なからず、大手企業が実施する年金制度のほとんどに特別法人税はついて回ります。
特別法人税は今まで書いてきた通り、遠い昔に金利が良かった時代の名残なのです。高度経済成長期にタイムスリップして昭和の空気を吸えるような名残のある制度。
そして、もう20年以上前に凍結されてからずっと凍結の延長をされています。
廃止されないのはなぜ?
廃止されないのは、一度廃止したら制度を作るのが難しいからです。
きっと金利が良くなることも視野にいれているのでしょう。
例えば金利5%という事も今後あるかもしれません。その時に課税できない制度だった場合に不満の声は出ないのでしょうか。そう考えると「凍結」続きなのも頷ける気はします。
よく話を聞くのは「金利が復活しない限り凍結が続く」という話です。
現状の景気や経済状況では復活の方が難しいと感じています。復活した時には経済が上向きなのでしょうね。
しかし、ここだけの話、確定拠出年金に関しては個人で積み立てる年金の側面があるので、廃止が検討されています。まだ決まっていはいないのでどうなるかは分かりませんが、経済状況を見る限り安心して積立して良い制度だと筆者は考えます。
そもそも…の内緒の話
そもそも、確定拠出年金の制度が始まる前の特別法人税凍結。
特別法人税を課税するための仕組みを確定拠出年金は持っていません。
最初から想定外だった「特別法人税」
復活した時には、好景気が予想されます。それまで
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