確定拠出年金の4月改正について
改正の背景
内閣府発表の令和3年版高齢化白書によると、令和2年10月1日現在、総人口に占める65歳以上の人口の割合が28.8%になり今後も増える傾向と発表がありました。
また、同白書には年齢階級別の就業率の推移・健康寿命の推移がありこれを読んでみると、60歳以上の就業率が10年前の平成22年よりも令和2年は10%以上増えており、健康寿命(日常生活に制限がない期間)も同様に10年前よりも延びていました。


このことから、日本の経済は今後も高齢化社会が続き、健康を意識しながら長い期間就業する人たちが増えることがわかります。
そのため、長期化する高齢期の経済基盤を図るため、高齢者が自身の就労状況によって年金受給の方法を選択できるように、2022年4月 公的年金の受給開始時期が「60歳から75歳」の間でと選択肢の延長がされました。
同時に、「確定拠出年金の受給開始時期の選択肢の延長」も施行されました。今回はこの改正について解説していきます。
改正内容
以前は、確定拠出年金の年金資産を受給する年齢は、「60歳から70歳」の間で選択できました。
今回の改正により、確定拠出年金の年金資産を受給する年齢が、「60歳から75歳」の間で選択できるようになりました。

メリット
◉企業型確定拠出年金(企業型DC)の場合
· 企業の規約によって、積立できる年齢(上限70歳まで 2022年5月改正)まで拠出した年金資金は、受給開始時期を75歳まで延長することが出来ます。
※企業の規約によって、積立できる上限年齢、受取開始時期の延長上限年齢も変わってきます。
◉個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合
· 個人型確定拠出年金に加入しており、積立できる年齢(上限65歳まで 2022年5月改正)まで拠出した年金資金は、受給開始時期を75歳まで延長することが出来ます。
※受取開始時期は、加入期間によって変わってきます。
※65歳まで積立が出来るのは、国民年金の第2号被保険者及び国民年金に任意加入(国民年金の加入期間が40年に満たない人)をしている方です。
◉共通のメリット
· 積立をしている間は、全額所得税控除が使えます。
· 年金資金の積み増しが出来ます。
· 積立をしない場合や積立ができない年齢になった場合でも、運用指図者になれば受給開始時期を75歳まで延長することが出来ます。
※企業型確定拠出年金は、企業の規約によって運用指図者になれる期間が変わってきます。
· 受取方法によっては、一定額までは課税対象から差し引く控除が使えます。
· 自分のライフプランに合わせて受給開始時期や受取方法(一括型タイプ・年金型タイプ・一括型と年金型を併用するタイプ)を決めることが出来ます。
※受取方法は、企業や運営管理機関によって変わってきます。
デメリット
· 確定拠出年金の口座に残高がある間は、口座管理料がかかります。(積立時、積立をしていない場合もです)
· 運用によっては、運用益が減ってしまう場合や元本割れをする可能性があります。
· 公的年金は受給年齢を延長をした場合、少しずつ受給金額が増えていきますが確定拠出年金は増えません。
まとめ
繰り返しになりますが、今後も偉力ある高齢者が長期就労すること、退職しても再雇用や転職など多くの人たちの就労に変化があり、今回はそんな人たちにとっても受給開始年齢が延長されることによって、長期で運用ができるメリットがあるのではないでしょうか。
また、確定拠出年金に加入できる年齢にも関わらず、短期間の運用になってしまうため加入を見送っていた人にとっては、受給開始時期の延長により運用期間が伸びるため、加入するきっかけにもなることでしょう。
2022年は確定拠出年金の改正が続きます。自身のライフプランに上手く活用できるといいですね
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