社会人も必見、高校の金融教育の重要なポイント
成人年齢の引き下げや人生100年時代などを背景に2022年度から高校での金融教育が「義務化」となりました。どのようなことを教育するか、ご存じですか?
社会を経験した大人でも、学びたい、これからでも実践できるような内容で構成され、教育内容をみた社会人から「社会に出てからお金で苦労をした」「お金に関することを学生の間に学びたかった」などの声が挙がったそうです。
今回は、義務化となった高校の金融教育について、ポイントを見ていきたいと思います。
高校生が学ぶ、金融教育とは
金融庁が発表した金融教育の教材を見ると「一人暮らしをしてみたい」「やってみたい仕事がある」「お金を上手に貯めたい」「クレジットカードを持ちたい」「確実に儲かる方法がある?」このような問いかけからはじまります。
まず、経済的に自立して、より良い暮らしを送ることができるように「金融リテラシーを高めること」が大きな前提となっています。
「金融リテラシーの向上」
金融リテラシーとは、金融する健全な意思決定ができること、さらには個人が良い暮らしを送るために必要な金融に関する「意識」「知識」「技術」を身に付け行動すること、と言われています。
次に、金融教育の「目的」として以下の3つが掲げられています。
1,自分の将来の暮らしかたについて考える(ライフプランニング)
2,そのために必要なお金(家計管理)と準備の方法(資産運用)を学ぶ
3,金融のトラブルにあわないよう、手口や対処法を知る
ガイドブックでは、家計管理や生活設計、預貯金では口座開設の方法や振り込め詐欺について、資産運用の考え方や必要性について、生命保険や損害保険、クレジットやローン、キャッシュレス決済、仮想通貨などにも触れ、万が一トラブルに巻き込まれた場合に相談する機関も案内されています。
大きく「家計管理」「ライフプランニング」「資産形成」の3本柱で構成されていて、これを学ぶと、‘‘さまざまな場面で自分で判断と行動ができる‘‘ように、とても丁寧なつくりになっていると感じました。
たとえば、クレジットカード。ネットショッピングなどが主流になった今、決済方法のひとつとしてクレジットカードを当たり前のように使っています。
ですが初めて申し込みをしたときは「使いすぎるかもしれない、不正に利用されたらどうしよう?本当に申し込みしても大丈夫かな?そもそも私は申し込みできるの?」など、不安を覚えたことを思い出します。
金融教育で正しい知識を備えておけば、不安を取り除いて行動ができる。これはクレジットカードに限りません。よく分からない・・と思われがちな資産形成なども同様のことが言えるでしょう。
さまざまな金融サービスを学ぶことができる金融教育ですが、すべての人が共通して身に付けておくべき重要なことがあります。見ていきましょう。
もっとも重要なポイントは〇〇
家計管理、ライフプランニング、資産形成の3つうち、何がいちばん大事だと思いますか?
いちばん重要なポイントは、「家計管理」です。
収入と支出のバランスを整えることができなければ、ライフプランニングも資産形成もできません。まずは、収入と支出を見える化しましょう。
「収入-貯蓄=支出」
収入から支出をひき、残ったものを貯蓄とするとなかなか残らないので、先取り貯蓄ができるような仕組みを作ることがポイントです。
支出についてはひとりひとり、大事にしたいモノやコトがあり、どこにどれくらいのお金をかけたいかはさまざまです。優先的に大切にしたいことは何ですか?今か将来か。今は支出をおさえる頑張りどきなのか、大事なことに対してお金を使うときなのか。時間軸で考えることもポイントです。
家計管理ができるようになり、収入と支出のバランスがととのうと、次は貯蓄について考えることができます。
貯蓄を検討するときは、税金面でもメリットの高い国の制度を利用することをオススメします。例えば、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などです。
また、勤務先の企業が従業員のための年金制度として企業型DC(企業型確定拠出年金)を取り入れている場合は、手数料面などさまざまな方面から見てもメリットが高いためマッチング拠出ができる場合は優先して利用すると良いでしょう。
今回は、注目の高い高校の金融教育について、社会人の視点からも見ていきました。ひとりひとりの金融リテラシーが高まり、より良い暮らしを送ることができるようにFinancial DC Japanも、その一助となれば幸いです。
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※今回の参考【金融庁】金融教育に関する講座の内容はこちらです。
中学生・高校生のみなさんへ : 金融庁 (fsa.go.jp)
※基礎から学べる金融ガイド
kou3.pdf (fsa.go.jp)
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