企業型確定拠出年金の仕組みとメリット、デメリット

1.確定拠出年金が必要とされる背景
近年、景気や金利の変化により、従来の退職金制度では従業員に支払う退職金が十分確保できないという問題が出てきています。また、老後2,000万問題が話題になったように日本の年金の世代間扶養のシステムでは老後の年金が減るという予測もあります。
そこで、最近話題になっているのが『確定拠出年金』です。
確定拠出年金には「企業型確定拠出年金(企業型DC)」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の2つのタイプがあります。
今回ご紹介するのは「企業型確定拠出年金(企業型DC)」についてです。
このグラフをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000520816.pdf
厚生労働省のHPより
グラフからわかるように、毎年企業型確定拠出年金に加入している企業は増加しており、この制度を活用しているのがわかります。今まで大企業の加入者が多かったのですが中小企業まで広がりを見せている制度です。
2.企業型確定拠出年金の仕組み
◉制度の仕組み
毎月の掛金を企業が拠出し、(規約により、従業員も拠出可能)運用は加入者自ら行う制度です。
◉対象者
企業型年金を実施する企業に勤務する60歳未満の従業員(国民年金第2号被保険者)となります。
◉掛金の拠出
企業が拠出(ただし、規約に定めた場合は加入者も拠出可能=マッチング拠出)します。
なお、企業型年金の毎月の拠出額の上限は、他の企業年金(確定給付型企業年金・厚生年金基金)を実施しているかどうかによって変わってきます。また、企業ごとに作る規約によっても変わります。
・実施していない 月々55,000円
・実施している 月々27,500円
◉運用指図・リスク
加入者自身が運用指図を行うため、運用リスクは加入者が負います。
◉ポータビリティ制度
加入者が退職して国民年金の第1号被保険者になったり、就職や転職をして企業型年金の加入者になったりした場合に、年金資産を課税されずに持ち運べる制度です。
3.導入メリット
◉退職金給付債務を負いません。
◉企業に運用リスクがありません。
◉企業が拠出した掛金は給与に加算されず全額損金参入になります。
4.導入デメリット
◉導入コンサル費、口座開設費、事務手数料、加入者手数料を企業側が負担します。
◉従業員への投資教育コストが発生します。
ご覧になっていただいたように企業型年金にはデメリットがあります。しかし、それ以上に大きなメリットがあります。
先述したように、多くの企業が導入をしている背景には企業の会計や個人の節税対策にも有効で、投資教育によって会社の雰囲気が良くなったという話も聞きます。今年に入ってiDeCoとの加入要件で加入者に有利な制度変更があったりと、もっと使いやすい制度になっていくため、今後も注目していきたいです。
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