確定拠出年金とは

「年金」という名前がついていると、多くの方は国民年金や厚生年金である公的年金を思い浮かべるかと思います。
この「確定拠出年金」は、そのいずれとも異なる制度で、個人や企業が自主的に積み立てる企業年金のひとつとして、2001年10月から日本で導入されました。

実は、アメリカでは1978年から制度が導入されており、401k制度と呼ばれています。そんな401k制度を参考にして日本でも導入されたため、確定拠出年金は「日本版401k」といわれることもあります。

確定拠出年金制度の大きな特徴であり公的年金と大きく違う点は、拠出された掛金とその運用益との合計額をもとに将来の給付額が決定することです。
つまり、運用結果によっては受け取る年金額が変動する可能性があるということです。

企業年金とは

そもそも企業年金とはどういったものなのかを説明します。
企業年金には、おもに「確定給付企業年金(DB)」「確定拠出年金(DC)」といった制度があります。もうひとつ「厚生年金基金」というものもありますが、法改正により2014年4月以降は新規設立ができなくなった制度のため、ここでは説明を省きます。

企業年金は、企業が従業員の将来の安定した生活をサポートするために提供される福利厚生のひとつで、企業が原資を拠出して給付する年金となります。従業員は、国や地方自治体からの公的年金である国民年金や厚生年金に加えて、企業年金も受け取ることができるようになる、いわゆる年金の3階部分にあたります。

公的年金に上乗せして支給されるので、企業年金に加入していれば、退職後(老後)の生活費として受け取ることができる金額が多くなり、公的年金の支給額が足りない場合などの不足分を補うことができます。

これらの企業年金には、それぞれの特色やリスクが異なるため、どの制度を選択するかは企業の財務状況や従業員のニーズによって決まります。

確定給付企業年金

確定給付企業年金は、企業が加入者とあらかじめ給付する内容を約束しておき、退職後にその内容に基づいた給付を受けられる制度です。

給付額が確定しているので、年金資産の積立不足が発生した場合、企業には掛金を追加拠出しなければならない義務が課せられています。
一方で、従業員は、仮に年金資産の運用が悪化したとしても、約束された金額の給付を受けることができるため、安心できる制度といえます。

確定拠出年金

確定拠出年金は、あらかじめ決められた掛金を基に運用し、その運用成績によって給付金額が決まる仕組みとなっています。

企業にとっては、未来の支払い義務を明確に予見できるため、財務計画が立てやすいというメリットがあります。
一方の従業員は、運用成績により給付額が変動するというリスクがありますが、その代わり多くの税務上のメリットも用意されています。

さらに、離転職の際に獲得した年金資産を新たな職場へと移行させることも可能です。
このような柔軟性が、確定拠出年金が双方のニーズを満たす理由として挙げられ、最近では、確定拠出年金の導入が増えています。

企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金の2種類

この確定拠出年金という企業年金は、大きく2種類に分けることができます。

ひとつは、企業が拠出し、自社の従業員に対して支払った掛金を従業員個人が運用する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」、もうひとつは、加入者自身が個人で拠出する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」です。iDeCoは、Individual type Defined Contribution pension planの頭文字で構成されており、イデコと読みます。

企業型確定拠出年金の制度を利用するには、確定拠出年金制度を採用している企業に勤務している必要があります。
拠出金の上限は、年間660,000円となっており、これは、個人型確定拠出年金の上限である276,000円(第2号・第3号被保険者を対象とした場合)よりも高い額です。

さらに、拠出金は、給与からの控除として取り扱われ、社会保険料の計算の際には考慮されませんので、社会保険料の軽減にも繋がります。
ただし、積み立てることによって従業員の標準報酬月額が下がると、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などの給付金が減少するリスクが伴いますので、これらを考慮しておく必要があります。

一方、個人型確定拠出年金は、主に自営業者や確定拠出年金制度を取り入れていない企業の従業員などが利用できる制度であり、個人の資産形成や老後資金の積み立てを目的とした制度になります。

これらの企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金を利用することで、税制上の優遇などを受けながら老後に備えた積み立てをおこなうことができます。

確定拠出年金を最大限に活かす工夫を

個人型と企業型の確定拠出年金は、それぞれに特性があり、よく比較される制度ですが、それぞれの生活状況やキャリアパスによって、利用できる制度やメリットが変わることもあります。

どちらのタイプも税制上の利点があり、それらを最大限に活かすためには、自分の生活やキャリアの方向性、勤務先の方針や状況に合わせて適切に選択・活用することが重要です。

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