本来の企業型確定拠出年金について

前々回確定拠出年金の成り立ち、歴史についてお話ししました。前回お話しした通り企業型確定拠出年金は過去の企業年金の問題点を解決するために誕生したものでした。つまり、企業年金の一種です。
しかし、昨今企業型確定拠出年金を企業年金の一種と認識されている方は少ないかもしれません。
そこで、本日は本来の企業型確定拠出年金についてお話ししていきたいと思います。
本来の企業型確定拠出年金
近年、企業型確定拠出年金(以下企業型DC)を導入する場合、多くの企業が”選択制DC”を導入しています。弊社でご導入頂く企業様もほとんどが”選択制DC”を選ばれています。
実は、”選択制DC”は便宜上言われているだけで、本来”選択制DC”という制度はありません。企業型DCの個人拠出の出し方の選択肢の一つとして便宜上”選択制DC”と読んでいるだけであって、”選択制DC”という固有名詞は存在しません。
本来の企業型DCの姿は、『給与とは別枠で、その上乗せとして企業掛金を拠出する』というものです。
以前お話しした通り企業型DCは、企業年金の一種です。そのため本来は企業掛金ありきのものであり、企業拠出のない企業年金は本来存在しません。
企業拠出がなければ企業年金ではなく、財形の位置付けになります。
では、この企業拠出はどこから捻出されることが多いかというと、会社毎に用意されている退職金の原資から捻出することが一般的です。
つまり、退職金の前払いになります。よって、企業拠出の掛金額は役職や等級、勤続年数によって金額に差をつけることが多いです。
また、本来企業掛金は全員拠出が原則となります。しかし、退職金は勤続年数3年以上で支給するという設計が多いため、3年未満で自己都合退職した場合は事業主に変換させる事業主変換を設定することができます。
企業型DCのメリット
本来の企業型DCつまり、企業年金としての側面から見た企業型DCのメリットについても解説します。
①会社掛金は非課税かつ社会保険料計算対象外
このメリットについてはご存知の方も多いかと思いますが、ここで簡単におさらいしましょう。
会社から拠出される会社掛金を仮に給与として受け取った場合、所得税や住民税、社会保険料の計算対象となり、従業員の皆様の手元に残るお金は実質7割程になります。
一方、企業型DCの会社掛金として受け取った場合、税金も社会保険料もかからないため会社からの支給額がまるっと将来の資産として運用することができます。
②財産権の確保
そして、もう一つこれまでの企業年金(厚生年金基金等)と大きく異なるのが財産権の確保です。
もし定年退職の前日に会社が倒産してしまった場合、退職金はどうなるのでしょうか?恐らく受け取ることは出来ない可能性が高いのではないでしょうか。
一方、企業型DCは従業員の皆さんに拠出された時点で、資産の権利は従業員の皆様に移ります。
よって、将来会社が万が一倒産してしまっとしても大事な老後の資産は守られます。これまでの企業年金との違いという視点で見たときにはこの点が企業型DCの最大のメリットと言えます。
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